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□嫉妬+涙=大好き。
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「ミラさ〜ん! もう一杯!!」
「あらあら。レモンティーでいい?」
「いいですよ〜」

今日、あたしは機嫌が悪い。

「はい」
「ありがとうございます〜」

何でかって?
それはーー‥‥

「ルーシィ‥‥‥大丈夫?」
「全然っ! べつに気にしてませんよ。あんなやつ」
「‥‥顔が怖いわよ、ルーシィ」

あ〜もうっ!
思い出しただけで、腹が立つ!!

実は、昨日こんなことがあったの。

今月も家賃がヤバくて、それを口実にグレイを仕事に誘ったの。

『ねぇ、グレイ。明日仕事に行かない?』
『悪ぃルーシィ。明日はジュビアと仕事なんだ』

ジュビアと仕事!?
2人っきり!?

まぁ、それだけならまだ許せるわ。
でも、グレイったら‥‥。

『グレイ様、聞いてくださいよーっ! ‥‥』
『‥‥あぁ、それは大変だったな〜。』

あたしはカウンターで、1人さみしく水を飲んでるのに、グレイはジュビアと1日中喋っちゃってさ。

アンタの彼女はあたしでしょ!?

グレイのバカっ!

『グレイ様、あ〜ん♪』
『(パクッ)ん、おいしいな。これ』
『それ、ジュビアの手作りなんです♪』
『じゃあ、また作ってくれよ』
『喜んでv』

何、あ〜んされてるのよっ!(怒)
ムカツク、ムカツク、ムカツクっ!!
しかも『また作ってくれよ』だぁ!?
結婚して、毎日作ってもらえば!?


「はぁ‥‥。グレイはあたしより、ジュビアの事が好きなのかな‥‥」
「それはないと思うけど‥‥」
「やぁ、ルーシィ♪」

そこに現れたのは、ロキ。
あんたまた勝手に‥‥って言おうとおもったけど、今日は疲れた。
てか、毎度のことで、言う気力もなかった。

「ねぇ、グレイに仕返ししない?」
「はぁ? なに言ってんの、ロキ」
「ルーシィの気持ちをグレイに分からせるんだよ」

なんて言いながら、ニコッとキザな笑みを浮かべるロキ。

「だから、言ってる意味がわからないってば」
「要するに、グレイが僕に嫉妬すればいいんだよ(ニコっ)」
「へ‥‥?」
「だから、僕と仕事に行こうよ、ルーシィ」

グレイに嫉妬させる‥‥?
確かにそれは、いいけど‥‥。

「仲間を利用するなんて‥‥」
「ルーシィ、君には幸せになってほしいんだ。そんな事は気にしないでほしいな」

真剣な表情をして、あたしを見つめるロキ。

「ロキ‥‥」
「じゃあ、行こうよ♪ ルーシィ♪」
「う、うん」

ちょっと納得しないけど、ロキにいろいろ言っても無駄だと思って、2人で仕事に行くことにした。

「ミラさん。じゃあ仕事に行ってきますね」
「気をつけてね。ルーシィ、ロキ(ニコニコ)」

ミラさんの天使スマイルに見送られて、仕事に向かった。

仕事の内容は、ある財閥の息子のパーティーの警備。
男女1人ずつという条件だった。
若夫婦になりすまして、警備をするとのこと。

本当だったらグレイと行くはずだった仕事。


‥‥グレイの、バカ‥‥。


 
「うふふ。これはおもしろくなりそうね♪」

なんて、ミラさんが言っていたのはあたしは知らない。


 
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