request
□嫉妬+涙=大好き。
2ページ/5ページ
翌日。
マグノリア。
仕事が終わったあたし達は、一晩あっちで泊まって、やっとマグノリアに着いたの。
「やっと終わったね。ロキ」
「うん。とても楽しかったよ♪ ルーシィと一緒で♪」
「はいはい」
あ〜疲れた。
やっぱり社交パーティーなんて疲れるわ。
「じゃあ、報告しにギルドに行くから。強制h「待って、ルーシィ」何よ?」
そろそろ、星霊界に戻らないとロキの身体が‥‥。
「嬉しいなぁ♪ ルーシィが僕の事を心配してくれて♪」
なんて言いながら抱きついてきたロキ。
ちょっと! 恥ずかしいってば!
「ロキ‥‥! 恥ずかしい!////」
いくら星霊でも、ロキの外見は普通の男の子だし。
男の子に抱きつかれるのは、やっぱり恥ずかしい。
「ルーシィ?」
聞き覚えのある、その声。
この声はーー‥‥。
「やぁ、グレイ。今、ルーシィと愛を育んでいるんだ。邪魔しないでくれるかい?」
やっぱり、グレイだ。
ん?
ちょっと待って!
この状況って‥‥。
(てか、何よ。『愛を育んでいるんだ』って。育んでなんかないわよ)
「は‥‥?」
やっぱりグレイは驚いている。
自分の彼女が、他の男に抱きつかれてるんだもの。
しかも“仲が良い友達”に。
「じゃあ、ギルドに行こうか。ルーシィ。報告しないとね♪」
「う、うん‥‥」
そのときのロキの笑みは、とても黒かった。
いや、顔が黒いんじゃなくて、オーラが。
ロキはあたしからいったん離れると、あたしの腰に手をまわして、連れていかれる形で、ギルドに向かおうとした。
そう、向かおうとしたの。
「待てよ、ロキ」
「何だい? グレイ」
「何、ルーシィに気安く触ってんだよ」
グレイに止められて、ロキは足を止めた。
「君こそ、僕に気安く触らないでくれるかい? 僕に触っていいのは、女の子だけだよ。でも今は、ルーシィただ1人さ」
く‥‥黒いわよ! ロキ!
何その笑みは!!
「あ?」
てか、あんた達2人は仲が良いんじゃないの!?
「ルーシィ」
「な、何よ」
グレイにいきなり呼ばれ、ちょっとキョドっちゃったあたし。
「お前、ロキのこと好きなんだろ」
「何よ‥‥それ‥‥」
それは聞き捨てならない。
「そうなんだろ? ロキと抱き合ってたもんな〜」
「何、言ってんの?」
だんだん、周りの空気が険悪ムードになってきた。
「あんたこそ、ジュビアのことが好きなんじゃないの?」
「は? ジュビア?」
ダメよあたし。
これ以上は、言っちゃダメ!
頭の中では、そう念じてるけど、口が止まらない。
「何が『また作ってくれよ』よ」
これ以上はダメーーっ!
「ジュビアと結婚して、毎日作ってもらえば!?」
言っちゃった‥‥。
バシィ!
いきなり殴られた。
‥‥グレイに。
頬がジンジン痛い。
「何すんのよ! グレイのバカっ!」
そう言って、あたしは逃げ出した。
〜ロキside〜
ルーシィは行ってしまった。
「グレイ‥‥女の子に手を出すなんて、君には見損なったよ」
しかもルーシィに手を出すなんて、僕は珍しく怒ってるよ?
「‥‥‥」
でも、グレイは何も言わない。
「グレイ、ルーシィの好きな人は君だよ?」
「‥‥」
どうやらグレイは、後悔しているようだ。
放心状態になってる。
魂のない、抜け殻みたいだ。
「なのに、君はルーシィをほったらかして、ジュビアとイチャイチャして‥‥。ルーシィは嫉妬してただけなんだよ?」
「イチャイチャなんか‥‥」
「僕もされてみたいな〜。あ〜んって♪」
わざとらしく、僕は言う。
ルーシィが見ていた事を。
「また作ってくれよ、だっけ? 君は天然タラシだったなんて、正直驚いたよ。君は経験が少ないと僕は思っていたからね。ジュビアって娘も可哀想だね〜」
「‥‥俺、そんな事言ってたのか‥‥」
おや? グレイは本当に天然タラシのようだね。
(さっきは冗談のつもりだったけど)
追い打ちをかけるように、僕は続ける。
「あぁ〜っ! 可哀想なルーシィ! 何で君なんか好きなんだろう!? 僕だったらそんな想い、させないのにっ!」
これでどうだい?
ルーシィを追いかけてあげなよ、グレイ。
確かにルーシィの事は好きだけど、ルーシィには幸せになってほしいんだ。
ルーシィには笑顔が一番だよ。
「ロキ、あとで覚えておけよ」
「怖いなぁ、グレイ」
「今はお前より、ルーシィだっ!」
なんて言って、ルーシィを追いかけに行ったグレイ。
「やれやれ。世話のかかるね」
そろそろ星霊界に戻ろうか。
後々面倒くさいことになると思うしね。