request
□嫉妬+涙=大好き。
3ページ/5ページ
〜ルーシィside〜
とりあえず、報告しないといけないから、ギルドへ向かった。
「ただいま〜、ミラさん」
「お帰りなさい、ルーシィ。‥‥その頬、どうしたの? 赤いわよ?」
「これはさっきグレイに‥‥」
そこまで言って、涙が出てきた。
もう、あたし達って終わりなのかな‥‥?
全部、あたしのせい。
あたしが勝手に嫉妬なんかしたから。
グレイを傷つけた。
ヒドいこと言った。
「まぁ! グレイったら!」
「ミラさん、怒らなくていいですよ。あたしがロキといたのが悪いですし‥‥」
「ルーシィ‥‥、あれ? ロキは?」
「あっ!」
忘れて来ちゃった!
「あらあら。ルーシィはドジっ子さんね♪」
ミラさんの笑顔炸裂っ!
やっぱり、ミラさんの笑顔は癒されるな〜。
「ルーシィっ!」
その途端、胸に飛び込んできたハッピー。
その後ろにはナツがいた。
「ルーシィ、仕事行こうよ〜。最近行ってないし」
「ハッピーの言うとおりだぞ、ルーシィ。最近行ってないしなっ!(ニカッ)」
「はいはい、明日ね」
「「ルーシィっ!」」
なぜか感動されて、抱きしめられる。
ロキのときとは違って、そこまで恥ずかしくない。
ナツにそういう感情がないのは、わかりきってるもの。
「ナツ、ハッピー‥‥、お、重い‥‥っ」
でも、苦しい。
締め付けすぎよっ!
「俺はルーシィより重くねぇよ」
真顔で言われた。
さすがに傷つくわ。
ナツは本音しか言わない。
という事は、本当にあたしより、ナツの方が‥‥ってことになる。
「ん、ルーシィ泣いてるのか?」
「ナツがルーシィを泣かせたーっ!」
「ち、違ぇよ!(汗)」
違う。違うの。
これは、ナツのせいじゃない。
自分へ憤りの涙。
「ルーシィ、大丈夫?」
「大丈夫。大丈夫よハッピー」
ナツは何かに気づいたのか、黙ってあたしを見る。
本当に、ナツは勘がいい。
野生の感ってやつかしら。
「ルーシィお前、顔が(腫れてて)いつもより(右側の頬の輪郭が)でかいぞ」
「ナツ‥‥いろいろと言葉が足りないわよ‥‥」
「その殴り方‥‥グレイだな」
「‥‥」
言ってることが当たりすぎて、なにも言えなくなった。
てか、なんでわかるのよ!?
「本当だー! グレイがルーシィを殴ったー!」
そのハッピーの発言で、ギルド中がざわつく。
そして、ある人物があたしに近づいてきた。
ジュビアだ。
「ルーシィ今日までどこに行ってたんですか?」
「し、仕事よ」
「誰とですか?」
なんか、怖い!
怒ってる!?
「ろ、ロキと‥‥」
ロキという言葉を出した途端、ジュビアの空気が変わった。
「ルーシィ‥‥やっぱりあなたにはグレイ様はもったいないです」
「は‥‥?」
「なんで、わからないのでしょう」
な、なに言ってるの?
「グレイ様があなたの誘いを断ったワケですよ」
「へ‥‥?」
確かグレイはジュビアと仕事に行くからって言ってたけど‥‥。
「確かにジュビアとグレイ様で出かけました。けど、仕事には行ってません」
「つまり、デート?」
「ジュビアはそう思いたかったけど、実際はプレゼント選びです」
「だ、れの‥‥?」
怖かった。
もし、ジュビアにプレゼントするためなんて言われたら、立ち直れないもの。
はぁ、とため息をつき、ジュビアはあたしを睨んだ。
「ここまで言って、まだわからないんですか?」
「うん」
「ルーシィへのプレゼントですよ! ルーシィへの!」
あ、あたし‥‥?
「グレイ様ってばかわいそう‥‥! 何でこんな鈍感な恋敵と付き合ってるのでしょう‥‥!」
なんて言いながら、涙を流すジュビア。
全部、あたしの勘違いだった。
そう思うといてもたってもいられなくて。
いつの間にか、ギルドを出ていた。
〜ジュビアside〜
恋敵がギルドから出たのを確認して、ため息をした。
もう、グレイ様から離れないでくださいよ。
グレイ様を笑顔にできるのは、ルーシィしかいないんです。
本当だったら、それはジュビアの役目になりたかったけど、無理でした。
幸せになってください。
グレイ様も、ルーシィも。
恋敵のルーシィが不幸せになればいい。
と思ったこともあるけど、ルーシィは恋敵と同時に、ジュビアの初めてのお友達でもあるんです。
お友達には、優しくしないといけませんしね。
そろそろ、グレイ様とルーシィは出会ってるでしょう。
お幸せに‥‥。