present / gift

□やっと気づいた
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俺はやっと気づいた。





ルーシィが、好きだ。


仲間としてじゃなくて、もっと特別な好き。





そう、気づいたんだーーーー。











「ねぇ、ナツ」

声がした途端、俺の胸は高鳴った。

「あ? 何だよルーシィ」

俺はなるべくいつものように、話した。
なんか、いつもと違う俺を見られるのは恥ずかしい。

「明日、仕事行こーよー! 家賃が‥‥」

そう言い、彼女ーーールーシィはしゅんとうつ伏せになる。

あぁ、ルーシィは多分無意識でそんな仕草をしているんだろうが、はっきり言って超かわいい。


ヤバい。


絶対顔赤い。

なので、俺はマフラーを鼻の辺りまで上げた。

「おお、俺は別に良いぞ。な、ハッピー」

「あい!」

「良かったぁ! ありがとう、ナツ!」

そう言って、ルーシィはレビィの元へ行った。





レビィの所に行って、良かった‥‥。

もし、あのままここにいたら顔が赤いのがバレる。




そう思いながら、俺はレビィと話しているルーシィを遠くから眺めていた。

すると、ルーシィの隣に黒髪の男ーーーグレイが座った。

ルーシィとグレイは楽しそうに話している。

その光景を見ていた俺は、無性に腹が立った。


これが、ミラの言ってた「ヤキモチ」か‥‥。


なんて事を考えていると、グレイがルーシィの頭を撫で始めた。

その瞬間、俺は席を立っていた。





「オイ、クソ氷。俺のルーシィに気安く触ってんじゃねぇよ」

「なに言ってんだよ、バカ炎。ルーシィはお前のもんじゃねぇよ」

「んなことは、どうでもいいんだよ!!」


「クククッ‥‥」



グレイは笑っていた。

「何がおかしいんだよ」

「だっ、お前、それただのヤキモチじゃねぇか! アハハッ」

「なっ!?」

ルーシィは顔を真っ赤にさせた。

ちなみに、俺も。

顔から火が出そう‥‥いや、出ていた。

「ちょっ! ナツ! 火事になるー!」

そう言って、火を出している俺を落ち着かせようとしたのか、俺の顔をムギュウっと手で挟んだ。

必然的に、ルーシィの顔が目の前にある。

まるで、キスするときみたいだ。

「ルーシィ‥‥それ、逆効果だから‥‥///」

「?」

だけど、ルーシィは超鈍感なため、俺の言葉を理解してくれない。

ドキドキドキドキ‥‥

俺の心臓がさっきからうるさい。

ヤバい‥‥!
キュン死にしちゃいそうだ。



「どぇきてるぅ〜」



ふと、ハッピーの声が聞こえた。

その言葉に反応して、ルーシィは今の状況を悟る。

端から見れば、それはキスする寸前のカップルで。

ルーシィの顔がだんだん真っ赤になっていく。

「ご、ごめん!」

そう言って、ルーシィは立ち去ろうとする。

だけど、俺はルーシィの腕を掴み、それを制止する。

「ま、待てよルーシィ」

「ななな何!??」

さすが純情。
すごく動揺している。

「俺は‥‥嫌じゃなかったぞ」

「‥‥え?」

「だから‥‥俺は‥嫌じゃなかったぞ」

ヤバい!
なんか俺、とんでもないこと言ってる!


ても、やっぱりルーシィは意味がわからないらしい。

俺の目を見て首を傾げる。

すんげぇかわいい。

体中の熱がどんどん頬に集まってくる。
俺の顔は今までで一番赤いハズだ。

「やっぱ何でもない!!」
と言い、俺はダッシュで去った。

ヤバかった‥‥!





それからしばらくは、俺の顔は赤いままだった。





ーendー



 
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