present / gift
□ただ、それだけなの。
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「やぁ、ルーシィ♪ 今日もかわいいね」
「はいはい」
軽くロキをあしらうと、スティングの元へ向かった。
が、会ってしまった。
アイツに。
ナツに。
「ルーシィ」
「あぁ、ナツ」
平然を装い、ナツと話した。
たぶん、ナツも気づいている。
あたしがナツを、避けてるって。
「ルーシィ、俺のこと、嫌いか?」
「は?」
いきなりすぎて、頭が追いつかなかった。
いきなりなに言ってんのよ。
「俺のこと避けるし‥‥」
「べつに、避けてなんか「スティングって奴と、仲良くしてるし」‥‥ナツ?」
いつものナツと違う。
いつもは、破天荒で破壊魔なのに、今は、子猫に見える。
「もう、無理‥‥」
「へっ‥‥んんっ!」
ちょっと!ここ学校だから!!!
とか、色々言いたかったけど、無理だった。
口はナツのそれで塞がれた。
それは、だんだん甘く、深いものになり。
「ふぁ、っ‥なつぅ‥‥」
かろうじて言えた言葉も、力ないものになる。
いつまで、そうしていたのだろう。
やっと、離れたナツは、あたしを見つめる。
「ルーシィ、もう離せねぇからな」
不覚にも、ドキッとしてしまった。
「は、い‥‥っ」
これからあたしは、ナツから離れることを許されなくなった。
ーendー