story

□たとえ、私じゃなくても5
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アイツ何なんだよ。



意味わかんねぇよ。






ルーシィが俺の事が好きみたいに言いやがって。







「ーーーグレイ!!」


突然、エルザの声が聞こえた。


「ルーシィの場所がわかったぞ!!」

「どこだ!?」

「それが‥‥、少し厄介な場所でな‥‥」


エルザが言うには、どうやらルーシィは悪い噂が絶えない、不良グループのアジトに居るらしい。


「今から行くぞ! エルザ!」


こうして、それから俺はナツ達に合流し、ルーシィを助けることが出来た。

だが、“未遂”とはいえ、ルーシィに怖い思いをさせたコイツは許せねぇ。


「じゃあ、早く服を着た方がいいよ。ルーシ ィ」


ふと聞こえたハッピーの声。

リーダーの男を睨みつつ、ハッピーの方を見ると、ルーシィがいた。

そのルーシィはシャツが破られ、下着が丸見えだった。



なに今の姿ーーー!?



俺は思わず鼻血が出そうだったが、なんとか抑えた。


あんな姿、他のヤツに見せられねぇ!

そう思い、俺は脱ぎ捨てていたジャケットを拾い、ルーシィの背中にかけた。


すると、ルーシィは泣き始めた。


今までは、泣きそうな顔しても、泣かなかったのに。





そんなに怖かったんだな。





そう考えると、無性に愛おしくて。

無意識のうちにルーシィを抱きしめていた。




無言になる、俺とルーシィ。

その無言を破ったのはルーシィだった。


「‥‥っ、‥‥めて‥‥」

「‥‥ルーシィ?」

「やめてよぉ‥‥グレイィ‥‥」



イヤだ。もう、ルーシィを離さない。

もう、こんな思いさせたくない。



「嫌だ。ルーシィ」

「な‥んで? どうして? 私に優しくするの?」


そんなの、好きだからに決まってんだろ。

他のヤツに、こんなことしない。



 
 
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