story

□大好きだったよ、さようなら。
2ページ/5ページ



翌日、ギルドに行くとやけに騒がしかった。

「何なんだ、一体‥‥」
「オイ! グレイ!」

呼んだのは、ナツ。
アイツが俺を呼ぶなんて珍しい。

何か、あったんだ。

直感的にそう思った。

「ルーシィ知らねーか!?」
「は、ルーシィ?」

ルーシィがどうしたんだ?
ふと、ギルド中を見渡せば、ルーシィの姿が見えない。

嫌な予感がするーー‥‥。


「ルーシィがどこにもいねぇんだ!」


ナツによると、朝いつものようにルーシィの部屋に不法侵入すると、ルーシィはいなくて、ギルドにいるかと来てみればいないらしい。
しかもレビィと約束があるらしく、今日遠出するなんて考えられないらしい。

「レビィ、約束ってなんだ?」
「そっ、それはーー‥‥」

少し焦ったレビィ。

「約束が何かわかれば、何かわかるかも知れねぇじゃねーか」
「‥‥ルーちゃんには、私が言ったって言わないでね!」

観念して、耳を貸せといわんばかりに手招きをするレビィ。
俺は素直に耳をかした。

「ルーちゃんがグレイにプレゼントをあげるから、一緒に選んでほしいって言われたの。3日前に」
「なっ‥‥!?」

不意打ちだった。

「3日前のことを忘れるルーちゃんじゃないと思うな‥‥。しかもグレイ絡みだし」

どうやら、俺とルーシィが別れたことは知らないらしい。

「だって一昨日、『今日ね、グレイがキーホルダーくれたんだぁ♪』なんてのろけてたルーちゃんだよ? どんだけベタ惚れしてんのーって感じで。正直引いちゃうぐらいだったよ」
「いや、それはないな」
「どういうこと? グレイ」

頭の上にハテナマークを浮かべるレビィ。

「俺ら、別れたんだ」
「えっ」
「ルーシィから言われた。別れてほしいって」
「そんな‥‥」

そんなのありえない。
と言いたげなレビィ。

「ま、ありがとな。レビィ」

俺はとりあえず、外に出ることにした。

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ