story
□大好きだったよ、さようなら。
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翌日、ギルドに行くとやけに騒がしかった。
「何なんだ、一体‥‥」
「オイ! グレイ!」
呼んだのは、ナツ。
アイツが俺を呼ぶなんて珍しい。
何か、あったんだ。
直感的にそう思った。
「ルーシィ知らねーか!?」
「は、ルーシィ?」
ルーシィがどうしたんだ?
ふと、ギルド中を見渡せば、ルーシィの姿が見えない。
嫌な予感がするーー‥‥。
「ルーシィがどこにもいねぇんだ!」
ナツによると、朝いつものようにルーシィの部屋に不法侵入すると、ルーシィはいなくて、ギルドにいるかと来てみればいないらしい。
しかもレビィと約束があるらしく、今日遠出するなんて考えられないらしい。
「レビィ、約束ってなんだ?」
「そっ、それはーー‥‥」
少し焦ったレビィ。
「約束が何かわかれば、何かわかるかも知れねぇじゃねーか」
「‥‥ルーちゃんには、私が言ったって言わないでね!」
観念して、耳を貸せといわんばかりに手招きをするレビィ。
俺は素直に耳をかした。
「ルーちゃんがグレイにプレゼントをあげるから、一緒に選んでほしいって言われたの。3日前に」
「なっ‥‥!?」
不意打ちだった。
「3日前のことを忘れるルーちゃんじゃないと思うな‥‥。しかもグレイ絡みだし」
どうやら、俺とルーシィが別れたことは知らないらしい。
「だって一昨日、『今日ね、グレイがキーホルダーくれたんだぁ♪』なんてのろけてたルーちゃんだよ? どんだけベタ惚れしてんのーって感じで。正直引いちゃうぐらいだったよ」
「いや、それはないな」
「どういうこと? グレイ」
頭の上にハテナマークを浮かべるレビィ。
「俺ら、別れたんだ」
「えっ」
「ルーシィから言われた。別れてほしいって」
「そんな‥‥」
そんなのありえない。
と言いたげなレビィ。
「ま、ありがとな。レビィ」
俺はとりあえず、外に出ることにした。