トワ
□言っとくけど キミが好き
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それは、ハヤテさんの何気無い一言が切っ掛けだった。
「なー、皆好きなヤツと一晩同じ部屋にいられたらどうする?やっぱりヤっちゃう?」
ぶぶーー!ハヤテさんってば何て話題を!?一応ここに女子がいるんですけど?見えてます?
「ガーハッハッハッ。ハヤテ!お前、なんて当たり前過ぎる事を聞くんだ!好きな女といて手を出さねーなんて男じゃねーだろ。」
そりゃ、船長はそうでしょうね。綺麗に美味しく頂いてしまいそう。
「うーん。私はマッサージでもしてあげようかな。」
「うわぁ、マッサージ?いいなぁ。エステみたい!」
「ヒロインちゃん、試してみる?気持ち良過ぎて立てなくなっちゃうよ。(ニッコリ)」
うっ。ソウシさん、笑顔が妙に怖いんですけど…
「俺は、取り合えず縄が良いか鎖が良いか選ばせるな。」
「縄か鎖…」
シンさん、それって一体何に使うんですか?いや、敢えて聞きませんけどね!
「ナギ兄は?やっぱりヤっちゃう?」
「…………」
「ナギ兄ー?聞いてる?」
「ハヤテ、沈黙の意味は肯定だろう。」
嘘っ!ナギさんもヤっちゃうの?ナギさん硬派なイメージだったのに。ちょっとショック…
「そうゆうハヤテはどうなの?」
「俺っすか?俺は…女は何か面倒くせーから、いらねーわ!」
ハヤテさん、小学生男子みたいな発言…じゃあ、何でこの話題を出したりしたんだろう。
「…トワはどうなんだ?」
「えっ?ぼ、僕ですか!?」
その時、私の胸がドキッと反応した。
実は、私は前からトワくんの事が気になってたりする。ちなみに部屋も一緒。
トワくんは女の私より全然可愛くって、優しくって、一緒にいて楽しくって。
でも、真っ直ぐで、勇気があって、時々すごく精悍な目をする…最近、そんなトワくんに、ちょっとドキドキしてる。
「えっと、僕は…いっぱい、お話したいですかね。」
「何だよトワ、話ってガキかよー。」
「…ハヤテに言われたくねーだろ。」
「トワらしくて良いじゃない。小さな恋のメロディーって感じだね。」
「トワ、相手の嗜好をしっかり聞き出すようにしろよ。」
(なんか、トワくんらしいな。)
毎日一緒に寝てるのに、私達の間には何もない。
(まぁ、恋人同士でも無いけど。)
ヤっちゃうどころか、手すら繋いだ事がない。
それって、私に魅力がないからかな?とか、私の事は全く女として見れないからかな?とか悩んでいたけど
そうじゃないって思って良いんだよね?
皆にからかわれて赤くなるトワくんを見て、私は何だか凄く嬉しくなった。