ナギ 2

□Memories of Rain
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雨音とヒロインの鼻歌が厨房に響く。

ヒロインは雨が降ると決まってこの歌を歌う。

ヒロインが言うには、雨が降ると母親が傘を持って迎えに来てくれるから嬉しい、って意味の歌らしい。

親のいねぇ俺には、そんなあったけぇ思い出がある訳もねぇし、逃亡時代に至っては雨の日の事なんて考えたくもねぇ。

だけど…今、雨って言って真っ先に頭に浮かぶのは、ヒロインが楽し気に歌う声と、少しのん気なあの歌詞。


「ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ らんらんら〜ん。」

「ぷっ。」

「ナギさん。今、笑いませんでした?」

「いや、何でもねぇ。」


ま、こうゆうのも悪くねぇな。





『Memories of Rain』
君がそこに居るだけで
どんな景色も温かい色で染まっていく…



end


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