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□Re/Men/Ber
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・2期が始まる前に書いた話です
・サッカーが消えてます








朝、雷門中に行くとサッカー部が無くなっていた。
いや正確に言うとこの世からサッカーが消えていた。
キャプテンに話し掛けたけど、俺の事を忘れていたようだし他の皆のところに行っても同じように何も覚えていなかった。

でもね...俺だけは覚えてるんだ。
入部テストのことも
フィフスセクターのことも
皆で革命の風を起こしたことも
この前ホーリーロードで優勝したことも
剣城と一緒に必殺技を完成させたこと..も..?

剣城...?

そうだ剣城だ!
剣城だけは校内の何処にもいなかった..!

まさか..
サッカーがこの世から消えたとしたら、優一さんが怪我をすることもなかった、
剣城が優一さんの為にフィフスセクターに入ることもなかった、
剣城が雷門に来ることもなかった、
剣城が...俺と出会うこともなかった..

気付くと走り出していた。

嫌だ嫌だ嫌だ!!

剣城が俺を覚えていないなんて..!
剣城とサッカーが出来ないなんて..!

俺..今日言おうと思ったんだ、剣城への本当の気持ち

好きだよって..

なのにッ





息を切らせ、たどり着いたのは『剣城』と玄関に表示してある建物、
つまり剣城の家だ。

よかった、稲妻町には居たんだ...

ほっとしてインターホンを鳴らすと車椅子ではなく、自分の足で歩く元気な優一さんが出て来た。

「君は...?」
「えと..あの」
「京介のお友達かな..?」
「あ..はい!」

「さては京介..また学校サボってるな!?」
「え...?」

学校をサボるってことは..剣城は雷門中に通ってるってこと?
じゃあ俺達は出会ってないわけではない?

「優一さん、ありがとうございます!あのっ他の場所を探してみます!」

そういって天馬はまた走り出す。

「...京介の友達にあんな素直な子いたか..?」

優一はそんな天馬の背中を見て違和感を覚える。






天馬の向かった場所はよく二人で自主練をしていた河川敷。サッカーが消えた今は、テニスコートとして使われている。

だがベンチだけはいつものようにそこに立っている、そして見慣れた紫色の学ランを着た少年の姿。


やっぱりいた

ここは俺達の思い出の場所だもん
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