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□泣き虫とツインテール
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アイツは小さい頃から泣き虫だった。
何かあるとすぐに俺のとこにくる。

そしてあの日も泣きついてきた。

「霧ッ..野..グス」
「また何か言われたのか?」

俺はよしよしと神童のフワフワした髪を撫でる。

「俺..すぐ泣くし女の子みたいだからッ..仲間にいれてもらえなくて..グス」

まったく、なんて可愛らしいやつなんだ、
俺の理性が持たないじゃないか。

「よかった、ゴム持ってて」

俺は自分のポケットからゴムを取り出す。

「霧野...?」

そして自分のピンクの髪を二つに縛る、
まるで女の子のように。

「霧野..女の子みたい」
「俺の方が女の子みたいだろ?お前は男なんだから自信を持て」
「ありがとう!霧野!」






あの頃にこの縛り方をしたっけな...

俺は神童が部員に指示をしているのをベンチで眺めながら自分の髪を触る。

今思えば不思議だ、アイツは神童財閥の御曹司、俺は普通の一般市民。
よく幼なじみでいられたもんだ。

小さい頃から泣き虫なところは変わってないけど、今じゃ雷門中サッカー部のキャプテンになり人一倍責任感が強い。
モテるし皆から信頼を寄せられている。

それに比べて俺は何も変わってないな...
足怪我しちゃうし..

俺が自分の足を見てため息をついていると誰かが近付いてきた。


「霧野」
「神童...?」
「足、大丈夫か?」
「あぁ..でもごめんな?俺、神童の役に立ててない」

俺が下を向くと、神童は俺の頭に手を置く。

「...?」
「俺がこんなふうにサッカー部のキャプテンやっていけてるのは霧野の支えのおかげなんだ」
「神童...」
「お前が側にいるだけで俺は安心してサッカー出来るんだよ」


それは今の自分には最高の褒め言葉だった。


「いつもありがとう、霧野」
「まったく..お前はズルいよ」

俺が少し照れながら微笑むと神童も微笑み返してきた。


あぁ..
やっぱり俺は


神童に弱いんだな

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