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□チャームポイント紛失事件!?
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ある日、その事件は起きた――…



青山「一乃!」

一乃「青山、おはよう」

青山「おはよう、明日は決勝戦だな」


いつものように挨拶から始まる朝、だが今日だけは違かった。青山はその異変に気付く。


青山「一乃...お前、それ..」

一乃「どうした?」

青山「もみアゲがない」


一乃は言われて初めてその異変に気付く。


一乃「ほんとだ!!」

青山「どっかに落としたのか!?」

一乃「そうみたい..」


はたから聞くとおかしな話だ。


霧野「一乃!青山!」

二人があたふたとしていると霧野が走ってくる。

青山「どうしたんだ!?」

霧野「見てくれ、神童の髪がストレートになってしまった!」

霧野の隣には涙目で髪がストレートの神童がいた。

一乃「そんな神童が!!」

青山「なんてことだ!!」

霧野「朝起きたらこうなっていたらしい、因みに俺はショートになっていた」

青山「なんてことだ!!」


すると神童がいきなり、えぐえぐと泣き出す。


霧野「ほら泣くな神童、多分戻るって」

神童「霧ッ..野がッ..グス」

一乃「そっちか!!」

青山「因みに一乃のもみアゲもなくなった」

霧野「とっとりあえず..部室に来てくれ、皆が大変なんだ」





その頃、一年生メンバー

天馬「いやぁあぁあぁあああああああああああ!!!」

剣城「なっ何だ!?」

天馬「剣城のっ剣城のクルクルがなくなった!!」

剣城「そんだけで叫ぶな!うるせぇ」

彼らもまた何かを紛失して騒いでいた。

剣城「つか..お前、大丈夫かよ?さっきからフラフラして」

天馬は何故か少しフラフラしている。

天馬「う-ん、なんか頭のチョココロネがないとバランスがとれないみたいなんだ」

剣城「はぁ!!?」

輝「つかチョココロネって自覚してたのかよ!!!」

信助「ピッピカチュウ!」

天馬、剣城「......え?」



沈黙。



信助「ピカ?」

天馬「信助おはよう!信助は何も変わってないんだね」

京介「影山、お前どうした!?口調が変わってるが...」

輝「何処がだよ、耳腐ってるんじゃねぇの?」

京介「だめだコイツもだ..天馬、早く部室へ行こう
何かがおかしい」

天馬「うん」

天馬は信助(ピカ●ュウ)を肩に乗せて返事をする。






その頃、部室―――


速水「あ痛っ!」

浜野「大丈夫かよ速水」

速水「うぅ、眼鏡がないと見えません..」

浜野「俺もさ、ゴーグルがないから落ち着かないんだよなぁ」

速水「でも僕達はまだマシな方みたいですよ..」


速水は近くで騒いでいる天城、車田、倉間を指差す。


倉間「よっしゃああああああああ!!!背伸びたぁあああああ!!!」

天城「良かったド、倉間!俺もスリムになったド!!」

車田「見ろ、俺なんてイケメンになったぞ!!これで女子にモテモテだ!!」


だがそんなメンツを見て絶望するメンバーもいた。


錦「うぉおおおおおん!!いつもの口調で喋れない!!」

三国「錦...俺なんてアフロだぞ。上の方だけじゃなくて下まで生えてきてアフロだぞ」

錦「ブロッコリーが増えた...!!」



と、そこへ一乃達と天馬達が同時に入ってくる。

青山「なんてことだ..」

天馬「やっぱり皆なってたんだ..」

鬼道「お前達、席につけ..ミーティングを始める」


鬼道コーチの言葉で全員が席につきミーティングが始まった。


鬼道「お前達もわかっているだろうが..自分から大事なものが..つまりチャームポイントが紛失している」

黙って聞いていた全員がざわつく。

と言っても、鬼道コーチの言葉にざわついているのではなく、鬼道コーチにずっとくっついている音無先生。

春奈「お兄ちゃーん♪」

とゆうかベタベタしている。
それに比べて妹好きだったはずの鬼道コーチは物凄く嫌そうな顔をしている。


鬼道「春奈、やめてくれないか?」

春奈「いいじゃない」

鬼道「はぁ..」

一乃「あのシスコンが妹をウザがるなんて..」

青山「逆に音無先生がブラコンだ」

剣城「シスコンがチャームポイントってどうゆうことだよ」

口々に話していると、いきなりドアが開く。


狩屋「遅れてすみません!」

天馬「あ、狩屋!」

霧野「遅いぞ、狩屋」

狩屋は一見変わっていないように見える。

狩屋「すみません!気をつけます!」

霧野「あぁ気をつけてく....れ?」

狩屋「どうかしたんですか?」


明らかにおかしい、
あの狩屋が一生懸命しかも素直に謝るなんて。


霧野「お前、熱でもあるのか?」

狩屋「ありませんよ?それより霧野先輩、髪切ったんですね!すごく似合ってます」


狩屋は裏のない綺麗な笑顔で言う。


霧野「あの..狩屋がッ..」

神童「狩屋は捻くれた所がチャームポイントだったわけだな」


三国「ところで天馬、お前の肩にのってるソレはどうした?」

三国は天馬の肩に乗っているピカ●ュウを指差す。

天馬「あっはは、三国先輩って面白いですね」

三国「なにがだ?」

天馬「なにがって..信助でしょう?」

三国「信助がって..コレがか?」

どう見ても、あの黄色いネズミだ。

輝「馬鹿じゃねぇの?いつもの信助だろ」

天馬「あ、輝は優しさがなくなったので気にしないでください」

信助「ピッピカピカチュウ!!」


いきなりピカ..信助が喋りだす。


三国「明らかに言葉が人のものと違うだろ!」

天馬「いつもこんなですよ?」

三国「お前達、信助をいつもこんな目で見てたのか..」

狩屋「信助、お腹空いたらしいよ」

三国「言葉わかるのかよ!」

剣城「ほらエサだ、食べろ」

そう言って剣城は信助にポ●モンフードをあげると信助は美味しそうに食べる。

三国「いまエサって言ったよな!?」

輝「言ってねぇよブロッコリー」

三国「影山..その口調しょうがないとしても...三国さん、そろそろ..泣くぞ?」

車田「落ち着け三国、な?」

そこで一部始終を見ていた車田がイケメン顔で物凄くウザい笑顔を三国に向ける。

三国「うざい」

車田「三国ぅううう!!?」

天馬「まぁ..なんとかなるさ!!」

剣城「フラフラしたお前が言っても、なんとかなんねぇと思うぞ?」

円堂「そうだぞ!」


そこへ、いつの間にか来ていた円堂監督が会話に入ってくる。


円堂「世の中、なんとかなるだけじゃ生きていけないんだ。サッカーで世界を救えるほど甘くないしな!」

天馬「はは、そうですよね!って..ぇえぇえ!!??」


円堂の有り得ない言葉に天馬だけでなく、その場の全員が声をあげる。


鬼道「円堂..お前の一番大切なものはなんだ?」

円堂「ん-夏未?」


サッカー馬鹿からは有り得ない答えだった。
普段の円堂なら迷いなくサッカーと答えるだろう。


円堂もまた大事なものを失っていたのだった。


鬼道「困った..明日は決勝戦だというのに..これでは試合に支障が出てしまう」


皆、ため息を漏らしはじめる。

一乃「あの..」

その時、一乃が手をあげる。

円堂「どうした?」

一乃「練習が出来ないのであれば..一つ一つ対処していったり探せるものだけ探してみるのはどうでしょう?」

鬼道「そうだな..そうするしかないか」



こうしてチャームポイント探しが始まった。
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