book

□恋*天馬side
2ページ/2ページ


「う..うぅ..」



次から次へと溢れてくる涙。

拭おうと手を動かした瞬間、一番聞きたくない声が後ろから聞こえた。


「松風!!!!」


そこには肩で息をする剣城が立っていた。
こんな必死な剣城..見たことない..

「つる..ぎ?」


俺は涙を拭いながら振り返る。


「すま..ない、ハァッハ..さっきのは..ハァッ..冗談なんだ」

うまく喋れないようで時々、苦しそうに息を吐きながら言う。

「本当はあんなことッ..思って..ない」

「え..」

「好きな相手が男でも..別に変だなんて思わない。
本当にそいつの事が好きなら女を好きになると何一つ変わらない。」

「剣城...」

「そ、それだけだ。じゃあな」


剣城はそれだけ言うと俺に背を向けた。


嘘だったんだ..

俺..剣城をまだ好きでいられるんだ..

俺は嬉しくなって剣城の後を追いかける。

「なんだよ!」

すると剣城はまたいつものように俺を睨んでくる。
全然恐くないけどね

「剣城..これからお兄さんのところに行くんでしょ?」

「だったらなんだ」

「俺も行っていい?」

「駄目」

「えーいいじゃん!お兄さん喜ぶよ?」

「ったく..好きにしろ」


やっぱり剣城は優しいなぁ


俺達は並んで病院へ向かった。





次の日

白恋中との試合の後半戦


俺達は1点リード、
もう勝てるとゆう状況。

ふと隣にいる剣城を見ると凄く真剣な顔をしていた。

真剣な剣城..やっぱりカッコイイなぁ

俺、やっぱり剣城に言う

この試合が終わったら俺の気持ちを伝えよう。


そんなことを考えていると剣城がこっちを向いて不思議そうな顔をする。


「どうした?」

「え!?あ..なんでもないよ!!!」

ニヤニヤしてたのバレたかな?

「本当にどうした?」

「剣城と一緒にサッカーできるのが楽しくて..」

「いつもやってんだろ、おかしな奴だな//」

俺が言うと剣城は少し顔を赤らめる。

照れてるのかな?

「アハハ、そうだよね」

「クス」

「あ..剣城笑った!」

「笑ってねぇ!!」


そして俺達はゴールを目指してボールを蹴る。









試合終了まであと2分
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ