未来予想図

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「あ…ナルトくん」




毛布が落っこちてる…




部屋を開けてすぐ目に入った




「ホントに…きれいな黄色い髪だな…」




こう、触ったら気持ち良さそう…




「ん…」



「風邪…ひいたみたいでよかった(微笑)」




毛布を拾った




「もう…こんなに大きくなって…」




ホントに、




「―――大きくなりすぎ」



明紀は苦笑した


たった数時間見なかったのにまた少し成長したみたい

このペースでいけば元に戻るのも時間の問題だ




「早く…戻れるといいね」




――――あなたの世界に




カチッとスイッチを押して明紀は真っ暗な自室を出ていった


暫くして、美味しい匂いが家中に充満しはじめた






「腹へったぁぁああ!!」






匂いに誘われて元気な合図が鳴り響いた





――――………




「明紀姉ちゃん!!」


「ん!!ちゃんと出来てるよ(笑)」



「ラーメンが良いってばよ!!」



「ラーメンは…」



「ナル君、まだ病み上がりだからラーメンはダメだよ(苦笑)」



「えぇっ(泣)!?」



「ごめんね?今日はうどんで我慢してくれる?」



「……うどん…」



「ごめんね(苦笑)」



「ブスッ」




あからさまにナルトは頬を膨らました


暖かいうどんの湯気が寂しく立ち上る




「……(苦笑)」



「…(苦笑)」




ナルトの向かい側に座っていたミナトと目があってお互い苦笑した


パサリと、新聞をめくる音がしてミナトはボソリと言った





「あ〜ぁ残念だな、今度の休みは美味しいラーメン食べに行こうと思ってたのに…」





新聞の隙間から一笑する彼と目があった




「(し―(微笑))」




人差し指を口に当てて楽しそうに笑っていた




「美味しいラーメン!?行く行く!!」



「でもナル君、今日ラーメン食べたいんでしょ?」



「うっ」



「ボクと明紀ちゃんとで行ってくるからナル君はお留守番かな(笑)?」



「!?」



「嫌だってば!?俺も父ちゃんと姉ちゃんと行く!行きたいってば!!」



「じゃ、今日はうどんで我慢だよ(笑)」



「わかった!!」




明紀は吹き出しそうになったのを必死で堪えていた





幸せだな、と感じた



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