未来予想図

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結局、夕飯は遅くなって少し席を外した




「…………すぅ…すぅ」



「あちゃ…寝ちゃった」




戻ってくると、明紀はソファーで丸くなって眠りに入っていった



「困ったな(苦笑)」




苦笑しながら、とりあえず明紀を揺すってみる



「明紀ちゃん、明紀ちゃん…」


「すぅ…すぅ…」


「風邪も引くよ?」


「……すぅ、すぅ」


「……どうしよっか、」



爆睡してるな、とまた苦笑し悩む



「風呂、沸かしたんだけどな…」



ミナトとしては、気持ち良さそうに眠っているので

起こすのは気が引ける



「よいしょ…」



ので、このまま今日は寝かすことにして、明紀を抱き上げた

そこで気づいた




「(つめたい…?)」




思わず、歩んでいた足が止まる




部屋はそれなりに暖かったよな…?



それにしては、体が冷えてる



なぜ?






「え?あぁ…それより、いままで待ってたの?」



「はい、少し…寝てしまいましたけど(苦笑)」






「(外で…)待ってた?」



なぜか、そう思った


部屋に上着を脱いだ様子もないし、薄着のまま出たのか…


はっきり言って、まだ寒い…


長袖一枚は寒いよ…明紀ちゃん


ボクが困った表情(カオ)しても彼女は気づかない


だから、今は……






「お休み。明紀ちゃん、良い夢を…」







誰かが、帰りを待ってくれているという事実は



この上なく心地良いもの…





「………ありがとう」





ベッドで眠る明紀の前髪を優しくかき揚げ微笑む


そして、部屋を去った




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