未来予想図
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「明紀!!」
「き、きこちゃ…」
無事救出されてそれぞれ待つ人の元へ行く
「ミナト!!」
「あ、晃太…無事だったんだね」
「あぁ、出てきた後だったんだ…お前大丈夫なのか」
「うん。ボクはね…」
「……」
二人が見る先には茫然としている明紀がいた
「明紀?大丈夫なの!?」
「う…うん…とっさに…波風さんと…赤ちゃんが…教えて、くれたから……」
「そう…赤ちゃんが…」
「…疲れたみたい、で…」
「抱くの変わろうか?」
「ううん…大丈夫…」
「そう…?」
「うん…(苦笑)」
分かりやすい明紀の作り笑顔に紀子は心配が抜けなかった
明紀の中ではずっと頭のなかで繰り返されていた
「え?」
「ドアが歪んでて扉が開かない…」
中には何組か取り残された人がいて
「術を使うわけにもいかないし…」
「波風さん…これって…閉じ込められたってことでしょうか…」
「そうみたいだね…大丈夫?明紀ちゃん」
「は、い…(苦笑)」
「……赤ちゃんも無事でよかったね(微笑)」
「きやぁい♪」
ミナトの微笑みに反応する赤ちゃんが愛らしく
明紀にも笑みが溢れた
「はい(微笑)」
――……
――――………
―…
「おい…見ろよ…」
「うん?」
救出されていた時、隊員達がいて話していた
「?」
「あそこだけ天井の崩落してるぞ…」
「ほんとだ」
「誰もいなかったのが奇跡だったな」
「あぁ、そーだな」
「っ!?」
「生き埋めだったら…」
「明紀ちゃん!!」
「っ…」
「助からなかったかもな」
さっきまでいたはずの場所は
天井が崩れ無惨な姿となっていた
「(もし、波風さんが…助けて…くれなかったら)」
「助からなかったかもな」
――シンデタカモ…シレナイ…
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