未来予想図

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「ん…」



「あ…明紀!良かったぁ」




明紀と目が合うなり紀子は安堵のため息を漏らした




「あんた、遊園地で倒れたのよ?」



「倒れた?私が?」



「アンタ以外誰がいるのよ…」



「初めて気絶した…」




びっくりしたように呟いた


人間、本当に気絶するのか…



案外私はそういう面じゃぁ…タフだと思ってたんだけど…




「明紀?」



「ん?」



「……そう言えば、ミナトさんと晃太は先に帰らせたわ、ナル君もいたし…」



「そうなの?私、なんか台無しにしちゃったみたいだね…(苦笑)」



「なに言ってんの!?アンタのせいじゃないわよ!!」



「でも…波風さんに折角」


「明紀…」



「なんか、申し訳なくって…」




いつもの笑顔ではななかった


この子に、苦笑いなんて悲しい笑いは似合わないのよ



「…そんなに楽しみだったの?」




「………」



キョトン、と明紀は紀子と目を合わせた



そして直ぐ、苦笑いした



「うん、すごく…楽しみだった…」




遊園地久しぶりだったから




「………」




きっと明紀は気づいてない、



本当に楽しみだったのが…"遊園地"なのか、



それとも…



「また、行けばいいじゃない!!また、海とか、映画とか(笑)」



「……できるかな?」



「できるよ!!時間もあるし!ねっ♪」



「うん…そっか、そーだよね、」




また、行けばいいんだ




――――――"遊園地"




「よぉし!!それでこそ私が大好きな明紀よ!!」


「ちょっ、恥ずかしいよ!!紀子ちゃん!!」



「まぁまぁ…先生曰く、明日には退院できるらしいから…学校は問題ないわね」


「そうだね〜不幸中の幸いだよ…」



「今日はゆっくりしなさい!!私は家に帰るけど明日迎えに来るわね(笑)」



「ん!!わかった♪じゃぁね(笑)気をつけてね」




窓際から射し込む光は茜色に成り代わりつつあった



一人、病室に残った明紀はふと、思った




「ナル君って…誰だろ?」




全てを知ったのは、夜送られてきた晃太からのメールからだったとか…




「………ありえない…」





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