未来予想図

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ああ…なつかしや






黄色い閃光殿







あの荒野でお会いしたのを覚えておりますかな?







俺の贈り物はお気に召しましたかな?








この女は餌だ








お前を誘き出すための…








殺すための贄…







しかしこれは返そう







ここでは何の役にも立たないからな…








俺の名は"黒鴉"――…







覚えて置くといい…







いずれまた会うはめになる








思い起こされる記憶




「(あの男はボクと同じ…忍だ…)」




疑いようもない事実


何せ奴は、何も隠していなかったのだから…


身に纏う殺気でさえ隠さなかった




「何を考えているんだ…あの男…」




頭を抱えるてベッドに座った





あの女は餌だ




――――――贄だ……






「――くそっ…」




怒りで震える手をグッと押し込めて下唇を噛んだ





巻き込まれただけなのに





深く関わってしまった…





狙われてると気付いていたのに





また巻き込んでしまった…






「―――すまない…」






"守る"と言ったのに…





己の意志を確かめるかのように目を閉じた



暗い部屋でミナトは何を思う





再び開いた碧眼には強い光と意志が宿っていた





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