未来予想図

□口癖
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「明紀姉ちゃん」


「ん?どうしたの?」


「アイス食べたいってば」



姉ちゃんはよく笑う



「アイス?」


「おう!!さっきアイスのオッチャンが来てたってばよ!!公園に来てるって」


「そうなの?」



ウソかホントか分からないけどよく笑う


悩み事がないんじゃないってくらいに笑う




「だから行こう」


「ん!そうだね(笑)せっかくだから波風さんのも買っとこうか!」


「じゃぁさっそく行くってばね!!」


「あっ!ま、ナルトくん!」



そんな姉ちゃんは好きだ


面倒も見てもらって、優しくて、ちょっとどんくさいけど、頑張ってるから


何より、




「ん、ナルトくん、はい!!(笑)」




俺の話をいっぱい聞いてくれる


笑ってくれる


ただいまって言えば、おかえりって父ちゃんと言ってくれる



―――母ちゃんみたいに…




「姉ちゃん!!姉ちゃん!!」


「ん?なぁに?」


「父ちゃんの分、おれが持つってばね!!」


「大丈夫?両手塞がっちゃうよ?」


「大丈夫だってばね!!おれだって忍だからな」



「ふふ…じゃぁ任せちゃおうかな?」




俺が、姉ちゃんを“母ちゃん”と呼ぶことはないと思う


それは何となく言えないだけ、父ちゃんと母ちゃんは俺にとってただ一人


何となく、受け入れられないのだ




「ん!!見て!ナルトくん!!」


「?」


「ほら!波風さん、帰ってきたみたい!!」


「まじ!?」





最近、思ってしまう



――――申し訳ないと…



姉ちゃんは何も言わないから、俺が甘えているだけかもしれないけど…



「わっ、ナル君どうしたの?」


「アイス買いにい行ってたってば!!」


「一人で?」


「姉ちゃんと!!」


「そっか!」


「これ、父ちゃんの分!!」


「ん!ありがとう、ナル君」




もうしばらく、このままでいたい





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