未来予想図A

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「…私、少し部屋に居るね(苦笑)」



「あ、うん…」




明紀は紀子にそう伝えると自室に戻って言った



ナルトは明日のショッピングに向けての早寝だ



どこか顔色が悪かった明紀を心配しつつも紀子はミナトと晃太がいる部屋へ戻る







――――……





ガチャ




「あれ?藤牧は?」




最初に気が付いたのは晃太だった


その声につられるようにミナトも紀子に視線を向ける




「あーなんか気分悪いみたいで今、自室で休むって(苦笑)」




何とも苦し紛れの言い訳



顔が引きつってる分、説得力に欠ける





「「……」」




晃太とミナトは互いの顔を見合わせた




「あのさ、学校で何かあったのか?」



「な、なんで?」



「だってアイツ…めっさキレてだじゃん」



「気が付いた(苦笑)?」



「気が付かない方が変だよな?ミナト」




振られたミナトは肯定するように苦笑するだけだった




「ナル君も気づいてたみたいだしね」



「い、いやさぁ…」



「「?」」




そそそっと二人の間に入り耳打ちするように小さな声で囁いた











一番厄介な先生に







―――――バレたのよ










紀子は至って真剣な様子だが主語がないため、よく意味が分からない


二人そろって首を傾げたのだった






――――・・・・





「送って行こうか?」



「別にいいわよ!遠いわけじゃないんだし」




深夜、晃太と紀子は自宅に帰ることにした



門の前で話して居る




「…いいの?」



「あ?」



「――なんでもない!」



「・・・・・」



「・・・・・・」




漂う静かな時間がしばらく続いた


ポツリ、と呟いたのは晃太だった




「お前が何考えてんのかしらねぇが、アイツのことはアイツに任せときゃいいんだよ」





外野はとっとと去るのが一番だ




それだけ言って晃太は踵を還した




「あなたも大変ね」




そう呟いて紀子も歩き出して明紀の家を後にした






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