未来予想図A

□未来予想図A-3
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事件を知ったのは翌日で、教師だった紀子先生が死んだというものだった


細かな事情は伏せられたままで兎に角、任務でという事になっている



「行くぞ」



一番にそう言ったのはカカシだった



「何処に?」


「木の葉病院だ。今アスマ達も言ってるんだ」



アカデミーを抜け出して、木の葉病院に行こうと言うカカシが何時になく焦っていたように見えて



「わかった」



私は一つ頷いた



「オビトも言ってる。今、事情聴取受けてる」



「事情聴取?なんで?何があったの?」



「分からない。なんて説明するのが正解なのか分からないんだ」



走りながら話すカカシはやはりらしくなかった



「紀子先生の事件と関わってる」



本当は任務ではなく、不慮の事故らしい


そして晃太先生もアカデミーで見かけてないというのはそういう事だと



「晃太先生、ケガしてるの?」



「……ちがう」



息を吸う音が耳についた




「明紀さんが、集中治療室にいる」




まるでトンカチで殴られたような衝撃だった


私の中で焦りと動揺が一気に溢れ出て、転んでしまった



「リン‼」



「平気。躓いただけだから…」



「明紀さんは何とか命は繋いである。後遺症もないらしい」




「よかった…」



カカシに手を引かれながらついた木の葉病院


少し入るのが怖かった


どんな顔して逢うべきなのか、どういう状況なのか全くわからない


案内された病室に入ると



「……明紀、さん?」



今度は落雷が落ちてきたような衝撃で足が止まった


ゆっくりと振り向く人影をじっと見つめながら私は息を飲み込んだ


そして、気づいた



「リン、ちゃん?」



『リンちゃん‼』



全て変わってしまったのだと




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