沖田総司
□梅雨の時期に
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sideあみる
最近沖田さんに会えてない…………
やっぱり忙しいんだろうな………
この間といっても1ヶ月前新撰組の皆さんでお座敷に来たときも元気無さそうだったしな、、、大丈夫かな
「っ、あみるはんっ」
わっ!!花里ちゃんが私を呼んでいたみたいだ……
「ごっ、ごめんね。ちょっとぼぅーっとしてた。」
「あみるはん大丈夫でっしゃろか??」
うん。ありがとう。礼を言おうとしたら
「花里はん、心配いらへん。こんこは恋焦がれや。」
いつの間にか秋斉さんが立っていた。
「ちっ違いますよっっ」
一生懸命言い返したものの秋斉さんは意味ありげな笑みでこちらを見ていた。
「あーあみるはんまたうちに隠し事してたんやね。何かあったら言うてって言うてはるのに。」
何も言えなくなりこの場から逃げようと考えてたら秋斉さんからお使いを頼まれてるのを思い出した。
「えっえっと、お使い行ってきますっ」
二人が背後で笑ってた気がするがお使いへ向かった。
結構遠いな……。あまり行かない所へのお使いだから正直道も不安だった。
ポツ、ポツ
うわっ雨だ。空を見上げると灰色の雲が空を占めていた。
ポツ、ポツポツポツポツ
だんだん雨足が早くなっていく。
どうしよう。急に出て来たもんだから傘なんか持ってない。
帰るのにも、お使いの場所へ行くにも遠いし、お金も持ってきてないから傘は買えない。
途方に暮れていた。今は屋根のある場所で雨宿りをしているからいいけどだんだん外は暗くなるし、見通しも悪い。
なんだか怖くなってきた。
人通りも少ないし、最近いろいろと物騒だし………
沖田さん………
気付けば彼を思っていた。
「あれ??」
聞き慣れた声が聞こえた。雨の中だってわかる。沖田さんだ。
「あみるさん??やっぱり。」
こちらに近づいて来た。浅葱色の羽織りは着ていなかった。非番で散歩でもしてたのだろうか。
「沖田さーん!!」
私は沖田さんに抱きついた。沖田さんは一瞬目を大きくしたがすぐに微笑み腰に手を回し、呟いた。
「会いたかった」
「それは私の台詞です。沖田さん全然会いに来てくれないから……忙しいのはわかります。でもっでもっ」
気付けば泣いていた。
「すいません。でもいつも貴女を思っていました。会いに行きたかったけど…新撰組のほうでもいろいろありまして…」
そう言うと彼は優しく私の涙を拭いた。
私自己中心的な事言っちゃったかな…泣いていたら迷惑だろうな…せっかく会えたのに…
「ごめんなさい。私我が儘ですよね。せっかく会えたのに泣いてるし…迷惑ですよね。」
「そんな事ありません。貴女を泣かせたいとは思いませんが私を思って泣いているのならば嬉しいですし、好きな人に会いたかったと言われて嬉しくない男がどこにいますか??」
「ありがとうございます。」
私がそう呟くと優しく微笑み沖田さんは触れるだけの優しい口づけをした。
突然の事に驚きを隠せず下を向いていた。
「私も恥ずかしいです…でもせっかく会えたのだから顔を見せて下さい。」
そう言うと沖田さんは私の顎に手を添えて優しく顔を上げた。
沖田さんの綺麗で涼しげな優しい顔が目の前にありどきっとする。
「今日お座敷に呼んでもいいですか??」
「喜んで!!」
そう私が答えると誰かのため息が聞こえた。
「あっ秋斉さん!!」
「傘を届けに来たんやけど……………いらんかったみたいやな…」
秋斉さんは呆れていた。走ってきてくれたのか髪は濡れていて少し息が切れている気がした。
「すいません………」
「いやっ、私が悪いんです、藍屋さん!!あみるさんは………」
「もうええよ。今回は特別許してあげまひょ。」
ありがとうございます。二人で声を揃えた。
それからすっかり雨はやみ、私はお使いへ、沖田さんは屯所へ帰った。
作者の独り言→→→→
移転してから初めてのお話。
移転してから随分時間たってるのにねw
お話………どうでしたか??
ここではサブキャラの筈の秋斉さんが……ぐいぐい……
(笑)
要望、感想等ありましたらどうぞ☆☆
読んで下さりありがとうございます(≧∇≦)
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