のーまるらぶss
□雨の花
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魔鈴は仮面の下の瞳を開けた。
(何だってアイオリアの事ばっかり考えるんだい?今日の私はおかしいよ)
気づくと雨はほんの少し弱くなり、視界は良くなっていた。
遠くから金の鎧を纏った男が歩いて来る。
魔鈴は白羊宮の方へ向う男の方へ雨の中歩いて行った。
アイオリアはふらりと魔鈴が近づいてくるのに気がついた。
「魔鈴。こんな雨の中何やってるんだ?」
魔鈴は仮面を外した。
「おかえり。アイオリア」
仮面を外した少女は花が綻ぶような笑顔でそう言った。
ただ魔鈴は瞬間的にどんな時でもアイオリアはこの時を忘れないだろうと思った。
計算して仮面を取ったわけではなかったが、こんな事を考えてしまう自分が嫌だった。
アイオリアは美しい少女の姿に言葉もなかったものの…。
魔鈴は笑っているのに雨のせいか泣いているように見えた。
「アイオリア大好きだよ」