鬼の本

□ねぇ
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君は、大人になって、僕に見向きもしなくなった。


分かってた、理解してた。


君は、僕を手放すって。


初めて、君に抱き締められたときの事を今でも思い出せるよ。


まるで春の日差しのような笑顔で、抱き締めてくれた。


大好きって愛らしい声で囁いてくれたんだ。


大切にするねって僕に笑いかけてくれていた。


だから、僕は君のために生まれたんだと知った。


愛してる、君にはきっと届かないだろうけど、別に構わない。


君が幸せであれば、それで、僕は、すくわれる。
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