鬼の本
□戦場のパラサイト
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〜第一章 戦え兵器よ〜
息を吸う度に、自分が生きている事が理解出来て気持ち悪かった。
人を殺すことが俺の存在意義だった。
けれど、それが何よりも苦しかった。
断末魔の叫びは、耳に残り、どんな時も甦り繰り返す。
忘れるな、と言うように。
機械になれるならなりたかった。
心を消せるなら消したかった。
それが出来ず、中途半端な戦士だった。
敵に情けをかけて、逃がした事もあった。
その人間が幸せになる事を信じて、裏目に出ると頭の片隅で理解していても。
だが、それは戦場にたった戦士を貶していると同じだった。
アイツに会って漸く気がついた。