11/19の日記

22:49
私の一生
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貴方を思うわ
百年だろうとも


私はここで貴方がいた事を覚えている



私は貴方に寄り添って
暑さを紛らわすの


私は貴方と共に月を見て
月には兎がいると歌ってくれたの


貴方は雪でダルマを作って
それを見て寒さに震えるの


貴方は「綺麗だ」と囁き
私は紅く染まるの




百年たとうとも
私は貴方を思うわ


貴方に夜が来る
どうか静かに眠れますように
私は寄り添う事は出来ないけれど


私は貴方に恋をした
私は幾千年たとうとも
幸せな一時を覚えている


私に夜が来た
赤い赤い陽が昇る
貴方はまた「綺麗だ」と
囁いてくれるかしら


貴方は私を覚えていなくても
私が貴方を覚えているわ


目まぐるしく変わる景色
ここにあった景色
きっと誰も覚えていない


私だけの記憶


赤く赤く暖かく
別れを告げる







貴方は私の名を紡いで
死んでしまったの

「サクラ、サクラ」と



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