memo
◆あんスタ [追記]
そういえば、身長が高い人は頭を撫でられることが少ない、というのをどこかで聞いた気がする。
棺桶で眠たげに伸びをする朔間先輩を見て、ふと思い出した。
朔間先輩は、この学院では上位に入るほど身長が高い。ほぼ180cmだ。正確には179cmだが。
朔間先輩が誰かの頭を撫でているのは見ても、先輩が誰かに撫でられているのは見たことが無い。
(ためしに……)
嫌がられたら謝ろう、と考えながら朔間先輩に近付く。
「ふあぁ、ふ……ううん……まだ眠いのう…………」
『朔間先輩』
「んん?どうしたんじゃ?」
『失礼します』
「おお……?」
一言断りを入れ、まだ睡魔が残っているのかどこかぼんやりとした朔間先輩の頭を軽く撫でた。
あ、柔らかい。
「……なんだか、照れるのう」
『いやですか?』
「くくく、なに、誰かに頭を撫でられるのは久方ぶりじゃからのう……ふむ、そうじゃな……たまには、よいものかもしれんのう」
目を瞑って気持ちよさそうにする朔間先輩は、いつもよりなんだか幼く見えた。
そしてこの日がきっかけで、朔間先輩は事ある毎に頭を撫でてもらいに私の所に来るようになるのだが、それはまた別の話で。
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