chocalate days 2
□無邪気な笑顔
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ある日の昼休み、昼練のない俺は愛美と屋上庭園の手入れに来ていた。
壊されてしまった屋上庭園に、もちろん花はない。最近やっと荒らされてた花壇の土や抜かれてしまった花の片付けがやっと終わったところ。
相変わらず、愛美は楽しそうに笑っている。
そんな時だった。ジョウロを持つ愛美の手に見えた、不自然な青痣に目がいった。
「…お前、そんなところに痣あった?」
「!え、あ、転んだの!ちょっと躓いて!やっぱりバカだよね、私!」
………まさかあの子たち?あれだけ注意したのに、まだ愛美にこういうことするんだ。
「…幸村くん?」
黙り込んだ俺を見て、心配そうに顔を覗かせる。…でもね、愛美。転んでもその位置に痣なんて滅多に出来ない。もう、そんなわかりやすい嘘じゃ俺を騙すことは出来ないよ?
「…うん、お前はバカだよ」
そう言うと、愛美はポカーンとした後、いつものように照れたように笑った。一瞬見せたホッとしたような顔も見逃さない。
…お前は、バカだよ。
俺に心配掛けさせないように、いつも笑って強がるんだから。