chocolate days
□調理実習と鈍感彼女
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カップケーキはなかなかの出来…だと思う。
美味しい、って言ってくれるといいな。
「よ、予想はしてたけど…」
幸村くん、ものすごく女の子に囲まれてる。今日、調理実習5クラスあったもんね…。
去年のチョコの数もすごく多かったし…。(実はその中の一個は私だったりする)
今渡すのは無理かな…。
幸村くん今日も部活だったよね。教室で終わるまで待って、それから渡そう!幸村くんのクラスもHRは終わってるみたいだから、C組で待たせてもらおう!
そう意気込んだ私は、袋に入ったカップケーキをそっと鞄の中にしまい、C組に向かった。
***
C組はみんなもう帰ったか部活行ったみたいで、教室には誰もいなかった。
…確か幸村くん、窓側の一番後ろの席って言ってたよね。
ちょっとだけ、座ってもいいかな?
誰も答えないのをいいことにして、私は幸村くんの席に座った。
いつも、ここで授業受けてるんだ。
「…何か、眠くなってきた…」
まだテニス部は当分終わらないだろうから、少しだけ寝よう。
私はそのまま、幸村くんの机で眠りについた。