chocalate days 2
□たとえ夏が終わっても
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「幸村くん…」
『次はちゃんと、楽しむテニスをするよ。球技大会の時、お前が言ってたようにね』
…思い出した。
球技大会の決勝で負けた私は、慰めてくれた幸村くんに言ったんだ。"テニスって楽しいね"って…。
幸村くんは、私のあんな何気ない一言を覚えて…。
『今日は随分と泣き虫だね、愛美』
幸村くんは、どこかすっきりしたように笑っていた。
「それでも私は…っ」
勝って欲しかった。
約束なんて関係なく、ただ純粋に。
みんながどれほど努力してきたのか、それを知っていたから。
『…俺たちは、ここで終わる気はないよ』