chocalate days 2
□たとえ夏が終わっても
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『…っ、必ず、必ず成し遂げて見せます…ッ!先輩たちが出来なかったこと、俺が必ず、成し遂げて見せるっす…!』
電話から聞こえた赤也くんの声は震えていて、姿が見えなくても泣いているのがわかった。
きっと幸村くんは、試合が終わって落ち着いたらすぐに私に電話してくれたんだ。
『赤也、いつまで泣いてるんだ!』
『副部長だって泣いてたくせに、無理言わないで下さいよッ!』
『ほう、弦一郎も泣いていたのか』
『…柳先輩もちょっと涙目じゃないすか』
『赤也は泣き虫じゃからな』
『仁王先輩だって少しうるっと来てるクセに!』
『切原くん、ハンカチを貸しますから涙を拭いて下さい』
『…グスッ、柳生先輩、それは自分に使うべきっすよ』
『ったく、赤也は本当によく泣くよな』
『そう言う丸井先輩も泣いてたの、俺知ってるんすからね!』
『ほら、いつまでも泣いてるんじゃねえ』
『桑原先輩、それは目を赤くしていうことじゃないっすよ』
携帯を通して、みんなの声が聞こえてくる。
『…もう一度言うよ。俺たちは、ここで立ち止まる気なんて全くない』