こんにちは、非日常。
□第十五話
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私があ然としていると、独り言のように雲雀さんが呟いた。
持って行けって、うるさい…?
「食べれば」
「え!?いいんですか?」
雲雀さんは何も言わなかった。多分肯定の無言だろうと勝手に考えてケーキを食べる。…もしかして、雲雀家の料理人さんから…?
「…っ美味しいーっ!」
一口食べた瞬間、考えてたことが全て吹き飛ぶくらいの味が口の中に広がった。甘すぎないクリーム、ほどよい柔らかさのスポンジ、甘酸っぱい苺…。全てにおいて完璧!
「これ、雲雀さんの家の人からですか?」
「そうだよ」
こんなに美味しいものをいつも出してもらえるなんて…!
少なくなってゆくケーキに寂しさを感じつつ口に運ぶ。
「…そんなに美味しいの?」