こんにちは、非日常。
□第二十話
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その言葉に私は何も答えず、静かに会長に目を向ける。それを肯定と取った会長は、ゆっくり話し始めた。
「恭弥は相変わらず強くて、群れるのが嫌いだったよ。そしてたまたま俺と殴り合って、お互い引き分けでさ」
…忘れがちだけど、会長も相当喧嘩強いのよね。
「それから俺が一方的に話し掛けに言ってたんだ。…で、恭弥がやっと話すようになって今に至る」
「話し掛けたんですか…」
「だって恭弥面白かったし」
そう言えば会長も私を騙したんだよね。…もうどうでもいいけどさ。
「…で、風紀委員長になった恭弥に、誰も逆らおうとはしなかったある日、一人の女の子が堂々と恭弥に言ったんだ。"風紀乱しているのはあなたたちです"ってね」
「あ…」
何となく覚えてる。副会長になりたてのある日、雲雀さんの傲慢な態度が気に食わなくて文句を言ったんだ。
「自分に反抗する、ましてや女子がいなかった恭弥にとって、その女の子の存在は酷く新鮮だったみたいで」
会長はどこか嬉しそうに目を伏せた。
「その子を見つける度、目で追うようになった。たまにその子の行動を見て笑ってた時もあったな」