chocolate days
□笑えない
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あの日、私は帰り道で上履きと絆創膏、ついでに湿布を買った。
嫌がらせはやっぱり靴に泥とか、教科書や体育着に刃とか(体育着に刃は本当に危ないと思う)そんな感じだ。テニス部のみんなにもいろいろ聞かれたけど何とか誤魔化しておいた。…何時まで誤魔化せるんだろう。
あれから一週間経ったけど、幸村くんとは未だ何も話せないまま、時間だけが過ぎていく。
それでも、朝の水やりだけは欠かせなかった。
幸村くんは花が好きで、私もたまたま花が好きで………。
今となっては意味を成さないものだとしても、私にとって大切なことには変わらないから。
今日も水やりのためにみんなより少し早く登校する。
幸村くんとああなってしまって、話すどころか目も合わせてもらえなくなってしまったけど、花を見ている時だけはまだ、幸村くんとの繋がりを感じることが出来るから。
校庭の花壇の水やりを終えた私は、屋上庭園に向かう。
…そこで待っていた光景は、今まで受けてきたどんな嫌がらせより、私にとって辛いものだった。