chocalate days 2
□たとえ夏が終わっても
1ページ/6ページ
立海が、負けた…。
幸村くんは、電話でただそう告げた。
私はそれが信じられなくて、言葉を失ってしまう。
『愛美?』
「…っ」
幸村くんの声は穏やかで、私は気付けば涙を流していた。
『…どうして、お前が泣くんだい?』
「みんなが、頑張ってたの、見てたから」
練習して、練習して、私が知ってる以上にみんなは努力をしてきたんだと思う。
相手の人たちもきっと同じ。それはわかってるのに涙は止まってはくれない。
『お前との約束も、守れなかったね』
約束…それは夏祭りの時の、勝つと言った言葉を指しているをだと思う。
…そんなこと、良かったのに。
約束なんて、気にしなくていいのに。
伝えたい言葉が多すぎて、上手く話せない。話そうとしても、涙がその邪魔をする。
『…球技大会でお前が決勝で負けた時、俺に言ったことを覚えてるかい?』
何も話せない私に、幸村くんは優しく話しかけてくれた。
「球技大会の、時…?」
『きっと、お前は覚えてないと思うけどね』