長編夢小説

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推薦入試は一月に行われるので
推薦の2日程前に、姉の家に来ていた杏樹
オープンハイの後、何度かメールのやり取りをしたりした二人だったが、その後一度も会っていない。推薦前に、徳川に会おうと言われたので、待ち合わせ場所で待っているのであった。
「うー。寒いなー。徳川にラケット持って来いって言っとったから持って来たけど。なにするんやろー?」
そんな事を思っていたら、
徳川がやってきた。
「すまない。待たせてしまって。」
「まだ待ち合わせの5分前やから大丈夫やって!」
杏樹がケラケラと笑い飛ばしたので、徳川は笑顔になる。
「そうか。」
「で、何処に行くんー?」
徳川は、
「ストリートテニスに行こうと思って。」
「あぁ、だからラケット持って来いて言うたんか!」
杏樹はヒョイとラケットを徳川に見せた。
「ちゃんと持ってきたか。偉いな。」
「むぅー!ウチはそんなにガキちゃうもん!」
杏樹は少しひねくれた。
「道間違えた奴がいうか?」
徳川は苦笑しながら、杏樹の頭をなでて、
「じゃぁ、行くか。」
と、言って進もうとした。
「あ、ちょ、徳川待ってぇな!」
杏樹は急いで徳川に駆け寄り、
ぎゅっと彼の手を握り締めた。
「!?」
徳川は、驚愕の表情を浮かべ、
更に手を握るという行為に顔が真っ赤になった。
「今日、人多いし、ウチここら辺しらんから、迷子になったら困るから、手ェ繋いどこうや」
にっこりと杏樹が笑ったので、
自覚の無い杏樹に徳川は半ば呆れつつ、手を握り返した。
「お前は、方向音痴だしな、仕方がない。」
そして2人はストリートテニスへ向かった。
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