長編夢小説

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合格発表当日。
「うへぇ…徳川…ウチ絶対落ちとるって…。」
杏樹は徳川とズルズルと引きずられながら学校へ向かっている。
「見に行ってみないとわからんだろ。ほら、早くいくぞ。」
「いーやーやー!」
杏樹がダダをこねていると
「あれ?杏樹ちゃん!」
「うぉう!?華南ちゃん!」
華南が走ってきて、杏樹に飛びつく。
「あいたかったー!」
華南にすごい勢いで頬ずりされる杏樹
「知り合いか?」
徳川はすごい不機嫌そうな顔で杏樹に聞く。
「あ、うん。ウチと一緒にマネージャー推薦受けた仔やねん。」
「どうも、嵐山っていいます。」
華南はそっけなく答えた。
「徳川だ。」
徳川もそっけなく答えた。
「ところで杏樹。彼とはどういう関係?」
にっこりと微笑みながら聞いてくる華南。徳川はすこしだけ反応し 杏樹の返事を待っているようだ。
「え、うーんとえーと…友達!」
悩んだ挙句出した答えは友達だった。華南は満面の笑みを浮かべ
「そっかー!ならまだ杏樹ちゃんは私のものねー!」
と杏樹の両手を掴み、はしゃいでいる。徳川は少しがっかりした様子で
「どないしたん?徳川。」
「なんでもない。」
とだけ答えた。
「とりあえず、見に行くぞ。」
そろそろ掲示される時間だったので徳川は2人を促した。
合格者の受験番号が掲示され、人だかりができる。
周りが高くて杏樹は掲示されている番号が見えなかった。
「かしてみろ」
徳川は、ばっと杏樹の受験表を取った。
「…番号あるぞ、おまえの」
「え?」
「俺の番号も勿論ある。」
徳川が笑いかける
「嵐山も受験表貸せ。」
華南から徳川が受けとる
「おまえも受かってるな。」
「うそっ!」
「嘘ついてどうする」
杏樹はだんだんと自覚していき
「やったー!3人とも合格やー!」
感極まって、杏樹は徳川に飛びついた。
「なっ⁉」
徳川はかなり動揺している。
「ちょ、徳川ズルいわよ!」
華南も負けじと飛びつく
「やったー!やったー!これでみんな一緒やー!やったー!」
杏樹はこれからはじまる新しい生活に胸を踊らせた。

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