長編夢小説

□微妙な生活
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ウチは日暮杏樹
四天宝寺中学校3年生や!
そして今は、志望校の学校見学に
向かっとる筈…。なんやけど…
「やっば…。道迷ってもた…。」
東京にあるテニスの強い高校に
志望してるから、見学も勿論東京まで行かないとあかんねんけど…
「あー。東京はごちゃごちゃしててよう分からん!」
気がついたら叫んどった。
「…。どうかしたのか?」
後ろから声がしたから振り返った。割かと長身で黒い髪で切れ目の少年が立っていた。
「あー。道に迷ってしもてなー。
どうしようか、考えとるねん…」
少年は少し驚いた顔をしたが、
また表情を戻した。
「何処に行きたんだ。場所によっては、教えてやれるかもしれない。」
「ホンマ⁉おおきに!えっとな…」
ウチは志望校のパンフレットを少年に見せた。
「あぁ…。此処なら俺も行く所だ。一緒に行こう。」
少年は微笑んでくれた。
「おおきに!あ、この見学会に参加するねんやんな?」
「ああ…。そうだが。」
「なら、自己紹介せなあかんな!
ウチは日暮杏樹
もしかしたら、高校生になって
また会えるかもしれんしな!
よろしゅう!」
少年は顔を背けて、
「俺は徳川カズヤだ…」
とだけ言った。そしてうちらは
高校に向かって歩いていった。
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