長編夢小説

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徳川と別れてから、杏樹は姉の家へと向かった。
家の前までくると、久しぶりに会うので少し緊張したが、気を撮り直してインターフォンを押す事にした。
「姉さん!杏樹やけど…」
言い終わる前に、ガラリとと扉が開き、
「いらっしゃぁああーい!」
杏樹に勢いよく扉から出てきた人物が抱きつく。そう、彼女こそ杏樹の姉日暮侑子なのである。
「久しぶりやねー。姉さん!」
「本当に久しぶりねー。会えて嬉しいわー!」
侑子と杏樹はかなり年の差があり、侑子は仕事の為に東京にいるのだ。
「杏樹のだし巻きが食べれると思うと幸せだわー!」
侑子は杏樹から離れ、家へと招き入れる。一人で暮らすにはかなり大きな家。
「最近、仕事ちゃんとやってるん?」
杏樹が侑子に聞く。
「うー。最近スランプなのよねー。」
侑子の仕事は画家。彼女の実力は確かなもので、絵を一枚描くたびにかなりの値段がつく。
「だし巻き食べたらなおるかも!」
ケラケラと侑子は笑い、杏樹もつられて笑う
「まかしときー!」
杏樹は張り切った。
*           *             *
侑子は日本酒を飲み、だし巻きを食べている。侑子は夕食を頬張杏樹っているに話しかける。
「オープンハイどうだった?
面白そうな学校だった?」
杏樹はゴクリとお茶を飲んでから
「うん!めっちゃおもろい奴に会ってん!」
杏樹は今日の出来事を話した。
「へー。でも、出会った初日でそんなに仲良くなれたんだったらきっとあなたと馬が合う子だったんでしょうね。」
侑子が微笑む。
「そうなんかなー。なんや迷惑いっぱいかけた気がするわー。」
杏樹が少し困った顔をする。
「なんにせよ、これから長い付き合いになるかもしれないんだから、そんなこと気にしてたら、生きていけないわよ。」
そう言って、侑子は立ち上がり
「お風呂沸かしてくるわね。」
部屋を出ていった。
「そうかー。そうやなー。うん!
受験頑張ろ!」
杏樹は気を引き締めてから、またご飯を頬張った。
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