長編夢小説

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「うへぇ…徳川強いやん…。」
杏樹、徳川と勝負をしていたが直ぐに負けてしまった。
「まぁ、お前はマネージャーだし、それ以前に男女の差もあるからな。そんなもんだろ。」
徳川は、言った。
「うー。むー。徳川、ちょっとラケット貸してみ?」
杏樹は右手を差し出した。
「?」
徳川は、言われるままにラケットを渡した。
「んー。やっぱりグリップ合って無いんちゃう?さっきから違和感あったし。」
杏樹は、自分の荷物の所へ行き、
グリップを取り出し、まき直した。
「はい、この位でどう?」
杏樹は徳川にラケットを渡す。
「…。握りやすい…。よくわかったな。」
「あたり前やろ!マネージャーやっとるねんから。」
杏樹はグッと徳川に向かってピースサインをした。
「そうか。」
徳川は、そのピースした杏樹の手を、包み込むようにして自分の手で包んだ。
「冬だからな。やっぱりお前の手は冷たいか。」
徳川はわらった。
「な、なななど、どないしたん!?」
杏樹はとても動揺していた。
「…。お前の手はあったかそうだと思っただけだ。」
徳川は、何かを迷っているような顔をしていた。
杏樹は、どんな徳川を元気付けるように、包まれた手を一旦解き、
徳川の手に絡め直した。
「なんか悩みでもあるんか?」
杏樹は、徳川に聞いた。
その瞬間、杏樹は徳川に抱きしめられた。それから耳もとでこっそり
「自信が無くなった。」
とだけ呟いた。
「よぉ分からんけど、ウチらの年にしちゃぁ割りと徳川は、テニス強い方やで?推薦もきっと大丈夫や!自意識過剰はよくないけど、
受験の時ぐらいならええやろ。」
杏樹は、徳川に向かってニカっと笑った。
「そうか…。ありがとう。」
徳川は杏樹か離れた。
「お腹空いたろ?何か食べに行くか。」
徳川は杏樹に言った。
「おう!行く行く!」
杏樹は嬉しそうに飛び跳ね、
徳川の後ろを付いて行ったのであった。
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