長編夢小説

□微妙な生活
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〜徳川Side〜

俺は高校見学に行くべく、歩いていた。そしたら、関西弁を話す少女に出くわした。
道の真ん中で叫んでいて邪魔だったから声をかけた。
「…。どうかしたのか?」
振り向いた少女は少し涙目になっていて…その…可愛いらしかった
「あー。道に迷ってしもてなー。
どうしようか、考えとるねん…」
可愛いらしさに見とれていて表情が変わっている事に気づき、慌てて戻した。
「何処に行きたんだ。場所によっては、教えてやれるかもしれない。」
「ホンマ⁉おおきに!えっとな…」
パンフレットを少女は俺に見せた。近づいた彼女からは、仄かに良い香りがした。どきまぎしつつ
「あぁ…。此処なら俺も行く所だ。一緒に行こう。」そう言った
何故か離れたく無くて行く場所が一緒だと知り、嬉しさに頬が緩んだ。
「おおきに!あ、この見学会に参加するねんやんな?」
「ああ…。そうだが。」
「なら、自己紹介せなあかんな!
ウチは日暮杏樹
もしかしたら、高校生になって
また会えるかもしれんしな!
よろしゅう!」
彼女は満面の笑みを俺に向けて来た。ダメだ…。可愛い…。よくわからない感情が身体中をかけ巡った。直視できず、俺は顔を背けた
「俺は徳川カズヤだ…」
やっと、それだけ、なんとか発する事が出来た。そして俺達は初夏の日差しを浴びながら
高校に向かって歩いていった。
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