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東京都 豊島区 池袋駅前
「正臣の親友ほんとにいるの?」
少女――小鳥遊優佳は不安気な表情を浮かべながら少年にたずねた
「ま、ついてこいよ!」
髪を茶色に染めた青年が笑顔で優佳に言葉を返す。顔にはどこか幼さが残っており、髪やピアスとのアンバランスさが目立っている。
戸惑いながら付いてくる優佳を少年――紀田正臣は横目で見ながら優しく微笑んだ
♂♀
「よッ、ミカド!」
「!?」
今まで下を向いていた少年――竜ヶ峰帝人は驚いて顔をあげると見慣れない姿に目を白黒させていた
「え、あれ……紀田君?」
「疑問系かよ。ならば応えてやろう。三択で選べよ、@紀田正臣 A紀田正臣 B紀田正臣」
優佳はそんな正臣を呆れ顔で見ていたが帝人は、その言葉に池袋に来て初めての笑顔を見せた。
「わあ、紀田君!紀田君なの?」
「俺の3年かけて編み出した渾身のネタはスルーか……久しぶりだなオイー!」
「昨日チャットで話したじゃない……それにしても全然変わってるからびっくりしたよー。髪の毛染めたりしてるとは思わなかった!
…そっちの人は?」
笑顔で正臣と話していた帝人は優佳に目を向け不思議そうに正臣に聞いた
「こいつは俺の彼女小鳥遊優佳。」
「よろしくお願いします えーっと…」
「あ、りゅ…竜ヶ峰帝人です」
帝人は照れながらそう言うと正臣はむすっとしながら帝人の耳元近づき優佳に聞こえない程度の小さな声で呟いた
「いくら帝人でも優佳に手出したらぶっ殺すぞー」
「わっ…わかってるよ!!」
「……」
帝人は焦りながら体の前でぶんぶんと手を振っていて優佳はどうせくだらないことでも言ったんだろうと呆れ顔で見ていた