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「紀田君、これから優佳さんの病院ですか?」
「ん?ああ。俺の一番は優佳だからな」
「聞いてないよ」
正臣が言う言葉に帝人は冷たく言い放つ。
それに正臣はムッとしながら言葉を返す。
「優佳はエロ可愛いんだぞ。な、杏里?」
「え……ええ?」
正臣に降られたことばに、杏里が困ったように、口ごもった。大人しそうな男子は呆れ顔で首を左右に振った。
「エロはない……ありそうだけど、エロはないよ正臣」
少年の言葉に、茶髪にピアスという外見の正臣は気に食わなそうに笑い―――
「なるほど……つまりエロはともかく、認めたくはないが可愛いのは帝人も認めるわけだ!」
「なっ……い、いや、それは……」
「ほほう、ならば優佳は可愛くない、とでも?」
「いやっ、それはっ!か、可愛いけどさ!」
少年二人のやりとりの間で、少女は帝人の意見にコクコクと頷いている。
「そうか……可愛いのは認めるか……だが、俺はそれにもましてエロいという観点から見ても優佳は超いけてると踏んでいる。つまり、俺はお前よりもエロの分優佳を深く理解し、愛しているわけだ!よってこの勝負、俺の勝ちだな」
「何その俺様判定!?ていうか、正臣から見て園原さんはどんな感じなの?」
「杏里?杏里は、そうだな……エロビューティーだ」
自信たっぷりに言い幼馴染み――竜ヶ峰帝人を横目に見ながら、正臣は二人の間でオロオロしている眼鏡少女――園原杏里に向き直る。
「ま、なんにせよ、杏里の怪我が無事に完治してよかったよ」
「うん、それは本当にね!」
「あ、あの……ありがとう、二人とも……
これで優佳さんが居ればみんな揃ったんですけどね」
杏里はいつも正臣と自分の間にいる優佳を恋しく思った。勘づいた正臣は杏里に笑顔で話しかける。
「あいつは、すぐ元気になるんだからよ 待ってればいつの間にかピンピンしてかえってくるよ」
そういうと、杏里は安心したように精一杯の笑顔を浮かべてみせた。