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池袋 来良総合病院 某病室


「学校……サボってきたんだ?」


優佳がベッドに横たわりながら聞くと正臣は笑顔で頷く。


「昨日は見舞いいけなかったかし、今日も行けるか解らなかったから学校サボってきたんだよ」


「そうなんだ。最近正臣あんま元気ないね」


「お前だって元気無いじゃんか。なんかあったのか?」


正臣が心配そうにゆうと、優佳は正臣の顔を数秒見た後、ギュッと布団を握りしめて、無意識に沙樹の言葉が頭に響く。


『私も入れれば、三角関係だよ?』


『正臣は、戻ってくるよ』


『だって、それは決まってる事だもん。だから、正臣がいくら他の女の子を好きになっても平気だよ?

最後の最後に、正臣はその女の子達よりも、私の方を強く愛してくれるんだから』


優佳は正臣の顔を見て、今までで一番綺麗な微笑みを正臣にみせた。
その笑顔を見て、正臣は頬が朱に変わった。
優佳はゆっくりと口を開いた。


「ね、正臣。私達はきっと……ううん、私は正臣と結ばれちゃいけないんだよ」


その時、正臣の思考が止まって頭が真っ白になった。
正臣の頭の中にはもうあの文字しか浮かんでこなかった。
……そう「別れ」の言葉しか。


「だから私たち別れ」


正臣は優佳の言葉が終わらないうちに優佳を抱き締めた。


「なんで……急に……別れるなんて言い出すんだよ」


「や……まさっ、痛い」


正臣の腕と声は震えていて、今までにないくらいの力で、腕を握りしめられて、思わず声を出してしまったが、その後に涙目で正臣に訳を途切れ途切れに話していく。


「だって……正臣が私から離れていく……ううん、絶対に離れてっちゃうよ……」


「バカだよな、優佳は本当にバカだよ」


正臣はいつものように微笑んで優佳の肩に顔を埋めてそう言った。
優佳は目をパチクリさせて優佳を見たが、バカと言われたのが嫌だったのか、正臣を軽く睨む。


「なっ……なにがバカなのよ」


「俺は優佳から離れない。お前が離せって言っても、絶対離してやんねぇよ」


その言葉を聞いた時、優佳の両面からは溢れるように涙が流れ出した。
正臣は優佳の涙を優しく拭うと優佳の顔をまっすぐみつめた。
 
 
 
 
 
 
 
 
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