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□「彼女と妖艶な奇術師」
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きーは、行き場が無かった。一家全滅しまった今、自分はどうすればいいのか分からなかった。
とにかく今は、一家を全滅させた奴等が憎くて仕方がなかった。
………
きーは、いつの間にか流星街に辿り着いていた。血生臭い、平然と死体が転がっている。それに肺が苦しい。普通の人間なら呼吸出来ないだろう。
きーは、目的も無く歩き続けた。ここ、数日何も食べていないせいか目眩がする。
ついには倒れてしまった。体力の限界はとっくに過ぎていたがそれに気づかない程、精神的ダメージを受けていたのだ。
……………
きーは、何者かの気配で目を覚ました。頭がおもくて思うように動けない。
「やぁ…◇」
上から粘りのある声が聞こえた。誰だか予想がついた、一度しか会ったことは無いが、あの奇抜な服装にピエロのようなメイク、なんと言っても禍々しいオーラを忘れる筈がなかった。
変態の中の変態。
彼の事はそう呼ぶべきであろう。何を考えてるか分からない、掴み所が無いそういう印象を持っていた。
「無視するなんて…ちょっとひどくないかな★」
きーは上に目線を向けた。そこには、悲惨な笑顔でにたつくヒソカがいた。嗚呼、やっぱりこいつか…
ゾクッ
気持ち悪すぎる…こいつは今、自分がどんな顔か分かってるのだろうか…
「何故お前は、ここにいる…」
「何故って… クックックッ◇おもしろい事を言う子だねぇ…」
「何もおもしろくない…」
「おやおや、不機嫌にさせてしまったのかな?」
「………」
「◇」
ヒソカはきーに、聞きたい事があったのだ。チベット家の全滅について、ヒソカは情報屋や手当たり次第調べてみたのだが全く情報が掴めなく困難していた。そんな中、流星街に都合良くきーが居た。というより倒れていた。そして、惜しげ無く近付いた。
「ちょっと、聞きたい事があるんだけど…いいかな?★」
「…何?」
「チベット家の事なんだけど…◇」