蜩鳴

□〜其ノ肆〜
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〜学校〜


レナとゴミ山に行った翌日、学校で俺は魅音たちと話していた。



「ケンタくん人形ー!?

あ〜、そりゃあレナのツボだわなぁ!」


俺が昨日の帰りのことを話すと魅音は笑いながらも頷きながら納得していた。

そんな反応に俺は唸るように答えた。


「……レナが沙都子や梨花ちゃんをお持ち帰りしたくなるのは分かる。

だが、ケンタくん人形だけは理解できんぞ!

あんな眼鏡親父のどこがいいんだ!!」


「そんな気になるなら本人に訊いてみればいいじゃないですか」


『“だってかぁいいんだもん☆”としか言わない気がしますがね』


詩音の提案を恭輔が文庫本片手に苦笑いしながら一蹴する。


たしかにレナならそう言うだろう、断言できる。


「レナはよくあそこ…工事現場の所へ宝探しに行くのか?」


「ちょくちょく見に行くって言ってましたです」


「年頃の女の子がゴミ漁りねぇ……」


『レナさんが楽しいならいいと思いますよ』


「なのです」


「あそこは何なんだよ。

ダムの工事だったのか?」


それは、言ってみれば昨夜から引っ掛かっている魚の小骨みたいなものだった。


俺の問いに魅音が笑いながら答えた。


「ははは!

何年か前に中止になっちゃったけどね」


「……みんなで力を合わせて戦いましたです」


梨花ちゃんの口から戦うなんて物騒な言葉が出るとは思わず、俺は驚く。


そんな俺には目もくれず、魅音は大仰に頷いた。



「そうそう!

なにしろとんでもない話だったんだから!」


「どんな話だよ」


『雛見沢が丸ごとダム湖に沈むって話ですよ』


魅音が答えるよりも早く恭輔が答えた。




「そう!その通り!!

恭ちゃんよく知ってるね」


『まあ、多少は』


「へー」


んで、俺たちが今ここにいるってことはその抵抗運動が実ったってわけだな。








ガラッ







その時ガラッとドアが開いてレナと沙都子が入ってきた。


「ごめんね、ごめんね!

待たせちゃったかな?…かな?」


「申し訳ありませんわね。

お化粧直しに時間がかかってしまいまして!」


「沙都子、便所には溜めてかr(ベシッ)ってぇ!?」


『女の子になんてことを言ってるんですか、貴方は』


突然の後頭部への衝撃に振り返ると、恭輔に呆れたようにそう言われた。


ちなみに、沙都子は顔を真っ赤にしている。


「そ、そうですわよ圭一さん!

花も恥らう乙女になんて口のきき方をするんですの〜ッ!?」


「誰が乙女だ、誰が」



なんていつの間にかダムの話はどこかへ消え、いつものように話していると知恵先生が教室に入ってきた。
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