蜩鳴
□〜其ノ壱〜
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カラン・・・
カラン・・・
いつも通りの校長のベルの音…
ガラッ
「おはようございます。
今日はみなさんに新しいお友達を紹介します」
いつも通り知恵が入ってきて転校生のことをみんなに告げる…
どうせ入ってくるのは圭一だ。
なにもかもいつも通り。
他の世界と同じ。
何も変わらない。
そう
思っていた…………
ガラッ
教室の扉が開かれる。
「(え……?)」
私は思わず目を見張る
「!梨花?」
沙都子が声をかけてくるがそれに答える余裕もない。
知恵は「転校生がいる」と言った。
私もそう聞いた。
そして、確かに転校生はいる。
何もおかしいことなど無い…
……私以外にとっては
「梨花?どうしたんですの?」
余程驚いた顔をしていたのだろう。
隣にいる沙都子が顔を覗き込んでくる。
「!みー…何でもないのですよ。
にぱー☆」
「?そうですか」
沙都子には誤魔化したが私の困惑は治まらない。
[あうぅ、梨花ぁ…
これはどういうことなのですかぁ?]
羽入もかなり慌てているようだが、そんなの私に分かるはずない。
なにしろ、この100年で初めての事なのだ。
転校生が……
………………2人いるなんて