中編
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「相崎さん、ちょっとよろしくて?」
「……はい。」
……蘭丸くんの隣の席になってから3日目。
私相崎莉緒はとうとう呼び出されてしまいました。
蘭丸くんのファンクラブ会長と思われる人に。
えっと、付き人が1、2、3、4…
6人もいる。
私は教室中の注目の的。
もちろん蘭丸くんも見ている。
「ちょっと霧野様がこっち見てるわよ!!」
「いつみてもかっこいいですわ!!!」
あー、はいはい、うるさいですよ、ファンクラブの皆さん。
ちょっと黙ってください。
なんて言える勇気もなく。
私にできるのはひたすら困った表情をするだけ。
「あ……。」
蘭丸くんと目が合ってしまった。
口パクで何か言ってるみたいだけど、ごめん、なんて言いたいのか分からない。
「美鈴様、そろそろ……。」
付き人の人がそう言った。
この人は美鈴というのか。
ま、聞いたところで覚える気にはなれないけど…。
「あら、そうでしたわね。相崎さん、一緒に来て下さいませ。」
「…わかりました。」