短編

□無愛想で不器用
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私の恋人は、無愛想で不器用だ。






「あ、京介!今日もここにいたんだね?」




ここは屋上。



彼は壁にもたれかかって、空を見上げていた。




「あぁ…。」





無愛想な返事をする彼は、こっちを見たかと思うとまたすぐ空を見上げる。





いつもこんな感じ。






「京介おめでとう、試合に勝てて!」





「あぁ。」





「次の試合も頑張ってね!」





「あぁ。」





こんなのいつものこと。


中々まともな返事を返してくれない京介。



でも、とあることを聞けば、






一気に変わる。






「ねぇ、京介?」





「なんだ?」





「私のことは好きですか?」





「なっ!?」





ほら、
いつもの無愛想な君はちょっと焦った。


そんな君を可愛いと思ってしまう。





「そ、そんなの言わなくてもわかるだろ…!」




彼はそう言うけど、ちゃんと言わなきゃわかんないよと言って、私は京介の前に立った。






「私のことは好きですか?」





再度同じ質問を投げかける。




そうしたら君のすることは唯一つ。





「円華、好き、だ…。」





照れた君はそう言って私にそっとキスをした。



そしてすぐに顔をそむけてしまう。





「うん、ありがと。私も大好きだよ。」





そして君はまた頬を赤く染めた。




見た目とは似ても似つかない今の君。





そんな君を見れるのは、




私だけの特権なのです。









無愛想で不器用



(きょーすけ、顔真っ赤だよ?)

(だ、誰のせいだと思ってるんだ…!)

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