Doomsday clock

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0,宣告の時間


「終身刑を言い渡す」


 淡々とした声が、私に絶望を宣告した




「これで私は、一生貴方達の玩具になったのね」

 私は、元々裏の世界に生れ落ちた
母様も父様も日本人だけれど、あまり人には言えない素性のせいで私の戸籍は何処にも存在しない

 マフィアという、強くて危険な揺り籠に揺られて育った私…

 その私が、どうしてこんな薄暗い牢獄に入れられたのか

 どうして、こんなにも酷く怖い思いをしているのか…

 あまりにも狭い、箱庭のような世界に生きていた私には、

到底、理解などできないの……



ねぇ?今日もまた
私は使えもしないお金と引き換えにして、
たくさんの看守や民警達と一緒に

快楽の海を漂うのよ…


お願い…
誰か、
誰でもいいから、

悪魔でも、魔王でも、
死神でもなんでもいいわ

誰か私を…

この暗い場所から連れ出して――?


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